「勉強」とは

「勉強」の意味が分かっているだろうか・・・

普段何気なく使っている「勉強」という言葉。

大人なら何となく「勉強する」ということがどういうことか分かっていて、普段の日常生活や仕事できちんと「勉強」できていることと思います。

でも、小学生や中学生、高校生の特に勉強が苦手な生徒は「勉強」の本当の意味が分かっているでしょうか・・・

親に「勉強しなさい!」と言われたから、

「教科書の新しい英単語10個を10回ずつノートに書いた。」

「数学のワークを5ページ解いて、丸つけして、間違えたところを赤ペンで直した。」

など、一見勉強しているように感じますが本当にそうでしょうか?

「勉強」を具体的に言うと

ただ「勉強」と言っても具体的にどんなことなのか、特に子供たちには分かりにくいと思います。

そこで、具体的に「勉強」という言葉を考えてみると次の3つだと思います。

 ①新しいことを身につけること

 ②できない(分からない)ところをできる(分かる)ようにすること

 ③できる(分かる)ことを更にしっかりできる(分かる)ようにすること

次はこの3つのことをそれぞれ具体的に「英単語」「連立方程式」を例にして説明したいと思います。

①新しいことを身につけること

「新しいことを身につけること」とは、初めてのものや事をしっかり覚えて身につけることです。

「英単語」で言えば、英語の教科書を進めた時などに出てくる、初めて見る単語(新出単語)を単語テストなどできちんと解けるように覚えることです。

「連立方程式」で言えば、今まで「連立方程式」ということを学習したことのない生徒が、初めて教科書等を使って連立方程式を習って、連立方程式を解けるようにすることです。

ここで大事なことは、新しいことを本当に「身につけた」かどうかです。

「教科書の新しい英単語10個を10回ずつノートに書いた。」というのは、「きちんと勉強できた」かどうか分かりません。その新しい英単語10個をテストして、10個ともスムーズにしっかり解けるようであれば、「きちんと勉強できた」となりますし、解けないものがあれば「きちんと勉強できていない」ということになります。また、自分ではしっかり覚えた(身につけた)と思っていてもテスト形式で出題されると「思い出せない」「解けない」という経験は誰にでもあると思います。そのため、きちんと覚えたと思ったら自分でテストを作るか、家族にテストを作ってもらい、本当に解けるかどうか必ず確認することが大切です。

ただ、この「きちんと勉強できた」という場合でも、本当に10回ずつノートに書く必要があったかどうかは疑問が残ります。本当は2回ずつでもテストでしっかり解けていたかもしれません。効率よく勉強するためにも、ノートに書く回数は自分の気持ちに意識を向け「この単語をしっかり覚えた」と思える回数で良いと思います。

時間には限りがあります。効率よく無駄のない「勉強」をしましょう。

②できない(分からない)ところをできる(分かる)ようにすること

「できない(分からない)ところをできる(分かる)ようにすること」とは、初めてのことではなく、過去に見たり習ったりしたものや事で、そのときからできなかったままだったり、時が経ち忘れてしまったりしたことを、もう一度しっかりできる(分かる)ように身につけることです。

「英単語」で言えば、過去に出てきた単語だけど、その時に覚えていなかった場合やその時覚えたけど時間が経ち忘れてしまっていた場合に、しっかり覚えて身につけることです。

「連立方程式」で言えば、過去に学習したけどその時から分数の連立方程式が解けないままだったとか、過去は解けたけど時間が経ち解き方を忘れてしまって今は解けない場合などに、しっかり解けるように身につけることです。

生徒に「どのくらい勉強した?」と聞くと「1時間位勉強した」や「ワークを3ページ勉強した」というような回答をよく聞きます。その「何時間」や「何ページ」などでは、本当に勉強できているか分かりません。

例えば、学校で連立方程式を習ったから、家で「連立方程式の数学のワークを5ページ解いて、丸つけして、間違えたところを赤ペンで直した。」という勉強をしたとします。この時の「ワークを5ページ解く」というのは厳密に言うと「勉強」ではありません。「ワーク(問題)を解く」という作業は、現在の自分の学力を使って解いているだけで、「新しいことを身につける」「できないところをできるようにする」のどちらにもなっていないためです。ただ単に自分の「できること」「できないこと」問題を解くことによって明確にしているだけです。

では、ワークを使って「しっかり勉強する」ためにはどうすればよいでしょうか。

ワークを1回解いた後が大切です。一度ワークを解いて丸つけすると、きちんと解けた問題と解けなかった問題が分かり、自分のできないところや苦手なところが明確になると思います。(丸つけは○か×のみ付けて、絶対に解答を見て答えを写さないようにしましょう。)

できないところや苦手なところが分かったら、教科書等を使ってできないところや苦手なところをもう一度しっかり身につけましょう。その後、ワークの解けなかった問題をスムーズに解けるようになっているか、もう一度自分の力で解いて確認してみましょう。

このように、ワーク(問題集)は自分の苦手なところを明確化して、それをしっかり身につけるために使います。

③できる(分かる)ことを更にしっかりできる(分かる)ようにすること

「できる(分かる)ことを更にしっかりできる(分かる)ようにすること」とは、何とかできる(分かる)というところをもっと完璧に近づけていき活用できるようにすることです。

「英単語」で言えば、英単語テストで解けるという単語だけの理解から、英文の中で使えるようにしたり、日常会話の中で使えたりするように更に理解を深めることです。

「連立方程式」で言えば、時間をたくさんかければ何とか正確に解けていたのを、もっと短時間で正確に解けるようにしたり、文章問題から自分で連立方程式を組み立てて解けるようにしたりすることです。

この③ができないと、定期テストや高校入試で高得点を取るのは難しいでしょう。まずは①と②で身につけたら、いろいろな問題集や過去入試問題などで繰り返し学習して、更にしっかり身につけましょう。